PERとは? 何倍なら割安? 計算方法・目安・株価との関係を初心者向けに解説

スポンサーリンク
この記事は約8分で読めます。

株式投資を始めると、「PER(株価収益率)」という言葉をよく目にします。

PERは、企業の株価が利益に対してどの程度評価されているかを判断するための代表的な財務指標です。

しかし、「PERは何倍なら割安なのか?」「PERが高い株は買わない方がよいのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、PERの意味や計算方法から、割安・割高を判断する目安、実際の株式投資での活用方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。

PER(株価収益率)とは?

PERとは「Price Earnings Ratio」の略称で、日本語では「株価収益率」と呼ばれます。

株価が1株当たりの利益(EPS)の何倍になっているかを示す指標です。

簡単にいうと、企業が生み出す利益に対して、株価がどの程度の水準にあるのかを確認するために使います。

例えば、PERが10倍の企業とPERが30倍の企業があった場合、一般的にはPER10倍の企業の方が利益に対して株価が低い水準にあると考えられます。

ただし、PERが低ければ必ず割安で、PERが高ければ必ず割高というわけではありません。

企業の成長性や業種、将来の収益見通しなども考慮する必要があります。

PERの計算方法と計算式

PERは、次の計算式で求められます。

PER=株価一株当たり利益(EPS)\displaystyle \hspace{8pt} \Large{PER} = \frac{\large{株価}}{\normalsize{一株当たり利益(EPS)}}

EPSとは「Earnings Per Share」の略称で、1株当たりの利益を意味します。

EPSは一般的に次の式で計算されます。

EPS=当期純利益発行済株式数(自己株式を除く)\displaystyle \hspace{8pt} \Large{EPS} = \frac{\large{当期純利益}}{\normalsize{発行済株式数(自己株式を除く)}}

PERの計算例

例えば、次のような企業があるとします。

  • 株価:1,000円
  • EPS:50円

この場合、PERは次のようになります。

PER = 1,000円 ÷ 50円 = 20倍

つまり、この企業のPERは20倍です。

これは、現在の株価が1株当たり利益の20倍の水準で評価されていることを意味します。

EPSが変わるとPERも変わる

株価が変わらなくても、企業の利益が増減すればPERは変化します。

例えば、株価1,000円の場合を考えてみましょう。

  • EPSが50円の場合:PER20倍
  • EPSが100円の場合:PER10倍
  • EPSが25円の場合:PER40倍

このように、企業の利益が増えるとPERは低下し、利益が減るとPERは上昇します。

PERは何倍が目安?割安・割高の判断方法

PERを見るときに、多くの投資家が気になるのが「何倍なら割安なのか」という点です。

PERの水準に絶対的な正解はありませんが、一般的な分析上の目安として、次のように考えることができます。

PER一般的な見方
10倍未満割安の可能性
10~15倍比較的低い水準
15~20倍中程度の水準
20~30倍成長期待が織り込まれた水準
30倍以上高い成長期待が織り込まれた水準

※上記はあくまで参考例であり、業種や市場環境によって適正なPERは異なります。

PERが低い企業は割安なのか?

PERが低い企業は、利益に対して株価が低く評価されている可能性があります。

しかし、次のような理由でPERが低くなっている場合もあります。

  • 将来的に業績が悪化すると予想されている
  • 市場での競争力が低下している
  • 業界全体の成長が鈍化している
  • 一時的な利益増加によってEPSが高くなっている

そのため、PERが低いという理由だけで投資判断をするのは危険です。

PERが高い企業は割高なのか?

PERが高い企業は、現在の利益に対して株価が高く評価されている状態です。

ただし、将来的に大きな利益成長が期待されている企業では、高いPERが正当化される場合もあります。

例えば、新しい市場で急成長している企業は、将来の利益拡大を期待されてPERが高くなることがあります。

重要なのは、現在のPERだけでなく、将来の利益成長も考慮することです。

PERが高い株と低い株の違い

PERの高低は、企業に対する市場の期待を反映している場合があります。

PERが低い株の特徴

  • 利益に対して株価が低い
  • 成熟企業や安定企業に多く見られる場合がある
  • 市場から成長性を低く評価されている可能性がある
  • 業績悪化のリスクが織り込まれている場合がある

PERが高い株の特徴

  • 利益に対して株価が高い
  • 将来の成長が期待されている場合がある
  • 新興企業や成長企業に多く見られる場合がある
  • 将来の期待が外れた場合、株価が大きく下落する可能性がある

PERの高低だけで企業の良し悪しを判断することはできません。

企業の業績や成長性と合わせて分析することが大切です。

PERの種類(実績PER・予想PER)

PERには、大きく分けて実績PERと予想PERがあります。

実績PERとは?

実績PERとは、過去の実績利益を使って計算したPERです。

一般的には、直近の確定した決算に基づくEPSを使用します。

実際に企業がどの程度の利益を上げたのかを基準に、現在の株価を評価できます。

予想PERとは?

予想PERとは、企業の将来の予想利益を使って計算したPERです。

企業が公表する業績予想などを利用して計算します。

将来的な利益成長を考慮できるため、投資判断において重要な指標です。

ただし、業績予想は実際の結果と異なる可能性があります。

そのため、予想PERを利用するときは、業績予想の修正や市場環境の変化にも注意しましょう。

PERを使った株式投資の分析方法

PERを株式投資に活用する場合、単純に数値の大小を見るだけでは不十分です。

次の3つの方法を組み合わせると、企業の株価水準をより多角的に分析できます。

① 同業他社と比較する

最初におすすめしたいのが、同じ業種に属する企業との比較です。

例えば、同じ業界に次のような企業があるとします。

企業PER
A社10倍
B社15倍
C社25倍

この場合、A社は同業他社と比較してPERが低いことがわかります。

ただし、利益成長率や財務状況などが異なるため、PERだけでA社が割安とは判断できません。

② 過去のPERと比較する

企業の過去のPERと現在のPERを比較する方法もあります。

例えば、通常はPER20倍程度で評価されている企業が、現在はPER12倍になっている場合、過去と比較して株価が割安な水準にある可能性があります。

ただし、企業の事業環境や成長性が以前と変わっていないかを確認することが重要です。

③ EPSの成長率を確認する

PERを分析するときは、EPSの成長率も確認しましょう。

EPSが継続的に増加している企業は、利益成長が期待できる可能性があります。

反対に、EPSが減少している企業は、PERが低くても業績悪化のリスクがあるため注意が必要です。

PERとPBRの違い

PERと並んでよく使われる財務指標にPBRがあります。

PBRとは「Price Book-value Ratio」の略称で、日本語では「株価純資産倍率」と呼ばれます。

PERとPBRは、どちらも企業の株価水準を分析するために利用されますが、評価する対象が異なります。

比較項目PERPBR
正式名称株価収益率株価純資産倍率
評価対象利益純資産
計算式株価÷EPS株価÷BPS
主な用途利益に対する株価評価純資産に対する株価評価

PERは企業の利益に対して株価がどの程度評価されているかを示します。

一方、PBRは企業の純資産に対して株価がどの程度評価されているかを示します。

両方の指標を組み合わせることで、企業の収益性と資産価値の両面から分析できます。

PBRについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

【最新版】PBR(株価純資産倍率)とは? 意味・計算式・使い方をわかりやすく解説
🔍 この記事でわかることPBRの意味と役割計算式と具体例業種別の平均値PBRの注意点と限界他の指標との組み合わせ方東証の「PBR1倍割れ」改善要請の背景投資判断にどう活かすか?📘 PBR(株価純資産倍率)とは?PBR(Price Book-…

PERを利用するときの注意点

PERは便利な財務指標ですが、利用するときにはいくつか注意点があります。

① 赤字企業ではPERが参考にならない

企業が赤字の場合、EPSがマイナスになります。

そのため、通常のPERによる割安・割高の判断が難しくなります。

赤字企業を分析するときは、売上高成長率やキャッシュフロー、将来的な黒字化の見通しなども確認しましょう。

② 業種によってPERの水準が異なる

業種によって利益成長率や事業構造は異なります。

そのため、異なる業種の企業をPERだけで比較するのは適切ではありません。

なるべく同じ業種や似たビジネスモデルの企業と比較することが重要です。

③ 一時的な利益に注意する

企業が保有資産の売却などによって一時的に大きな利益を計上すると、EPSが増加してPERが低下することがあります。

しかし、その利益が継続するとは限りません。

通常の事業活動によって安定した利益を生み出せているかも確認しましょう。

④ PERだけで投資判断をしない

PERは企業分析に役立つ指標ですが、単独で投資判断をすることはおすすめできません。

ROE、PBR、自己資本比率、営業利益率、キャッシュフローなども確認し、企業の収益性や財務状況を総合的に判断しましょう。

PERに関するよくある質問

Q1. PERは何倍なら割安ですか?

一般的な目安としてPER10倍未満は割安と判断される場合があります。

ただし、業種や企業の成長性によって適正水準は異なります。

同業他社や過去のPERと比較して判断することが大切です。

Q2. PERが低い株は買いですか?

必ずしもそうではありません。

PERが低い理由が、将来の業績悪化や事業の競争力低下にある場合もあります。

企業の業績や成長性を確認してから判断しましょう。

Q3. PERが高い株は危険ですか?

PERが高いからといって、必ずしも危険とは限りません。

将来的な利益成長が期待されている企業では、高いPERが付くことがあります。

ただし、期待が大きい分、業績が予想を下回った場合には株価が大きく下落する可能性があります。

Q4. PERとPBRはどちらを重視すべきですか?

企業の利益水準を評価したい場合はPER、純資産に対する株価水準を評価したい場合はPBRが参考になります。

どちらか一方だけではなく、両方を組み合わせて分析することが重要です。

Q5. PERがマイナスになることはありますか?

企業のEPSがマイナスになると、計算上のPERもマイナスになります。

これは企業が赤字であることを示します。

一般的にはマイナスPERを割安・割高の判断に利用することは難しいため、別の財務指標を使った分析が必要です。

まとめ:PERを理解して企業の株価を分析しよう

PER(株価収益率)は、企業の利益に対して株価がどの程度評価されているかを確認するための重要な財務指標です。

今回の内容をまとめると、次のとおりです。

  • PERは株価をEPSで割って計算する
  • PERが低い企業は割安の可能性がある
  • PERが高い企業は将来の成長期待が反映されている場合がある
  • 同業他社や過去のPERと比較することが重要
  • PERだけでなくPBRやROEなども組み合わせて分析する

PERを正しく理解することで、企業の株価水準をより客観的に判断できるようになります。

株式投資を行う際は、PERを一つの判断材料として活用し、企業の業績や将来性、財務状況などを総合的に確認しましょう。

※本記事は株式投資に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。

タイトルとURLをコピーしました